『脳内麻薬』というものをご存知でしょうか!?
言い換えると「脳内物質」、ある界隈では「脳汁」とも言われています。
これは頭の中で分泌され、「やる気・集中力・楽しさ・幸福感」などをもたらし、「私たちの心を支配している物質」です。
なので不足すると、「やる気がでない」「何をしても楽しくない」といった、心の不調を引き起こすこともあります。
今回はそんな『脳内麻薬』について、それぞれの種類による「効果」や、不足しないために「出し方」などをお話していきます!
『脳内麻薬(脳内物質)』とは何のこと?
まず『脳内麻薬(脳内物質)』とは、ヒトの脳内にもともと存在し「モルヒネなどの麻薬(薬物)と似た作用を示す物質」を指します。
でも麻薬と聞くと、身体をボロボロにする恐ろしいものというイメージがありませんか…?
私には「ダメ、絶対×」のイメージしかありません。。
そんな物騒なものですが、『脳内麻薬』に関しては、モルヒネなどの薬物と違い、自然の状態でそもそも体内に存在している物質です。
痛みや精神ストレスなどで分泌され、症状を和らげる働きをするものなので、薬物使用により不自然な状態で過剰分泌されない限りは、それ自体が身体に悪影響を及ぼすということはありません!
脳内麻薬は20種以上存在!今回は代表的な3種を紹介!
脳内麻薬は現在、20種類以上が見つかっているそうです。
その中でも今回は、以下の代表的な3種について紹介します↓
●エンドルフィン
●ドーパミン
●セロトニン
『エンドルフィン』痛みやストレスを和らげ、多幸感をもたらす作用
『エンドルフィン』は、鎮痛剤として使われるモルヒネと同じように、「苦痛を和らげる作用」をもつ物質です。
●心身のストレス・苦痛を和らげる
●快感をもたらす
●覚醒作用
たとえば、ケガを負ったときの痛みや激しい運動中に感じる苦しさ、これらの苦痛に対して分泌され「鎮静効果」を発揮します。
また、覚醒作用もはたらくため、物事に対しての「集中力が上がり、生産性も向上する」という効果も期待できます。
そのためエンドルフィンを上手く活用できれば、仕事や勉強のパフォーマンスを高めることもできそうですね。
『エンドルフィン』の出し方:身体への負荷
本来、苦痛に対して分泌されるものなので、身体に負荷をかけることで分泌を促すことができるそうです↓
●ランニングなどの運動をする
●辛いモノを食べる
●サウナにはいる
運動については、「少しキツいかな」と感じて息が少し上がるくらいの強度で行うのがいいようです。
また辛いモノは、味覚の辛さという苦痛を和らげるために、エンドルフィンの分泌が活発化するそう。
そしてサウナについて、よく言われている「整う」という多幸感や爽快感に包まれる感覚が、実はエンドルフィンの作用によるものです。
何となくやる気が起きないときや、集中力が必要な仕事を始める前などは、運動したり辛いモノを食べたりして刺激を取り込み、「エンドルフィンの力を借りてパフォーマンスを上げる」というのもいいかもしれませんね。
『ドーパミン』やる気や楽しさに関わる作用
『ドーパミン』は、ヒトの「意欲的な活動を促す作用」をもつ物質です。
●やる気を引き出す
●ポジティブな気持ちになる
●集中力が上がる
ドーパミンは、とくに意欲に関わる物質。
生きるために必要なやる気を促し、物事に対して「やってやろう!」という前向きな気持ちを引き出してくれます。
他には、喜びや感動、幸福感にも関わっています。
そしてドーパミンが不足すると、
「やる気がでない…」
「作業に集中できない…」
「無気力・無関心・無感動」
などを引き起こし、意欲の低下につながってしまいます。
『ドーパミン』の出し方:目標達成+ご褒美
ドーパミンは、自分で定めた目標の達成や、食事によっても分泌を促すことができるそうです↓
●小さな目標達成
●自分へのご褒美をあげる
●乳製品を食べる
仕事やプライベートに関わらず、「自分で決めた目標を達成していくこと」で、ドーパミンが分泌されます。
このとき達成後の「ご褒美」があると、なお効果的。
たとえば、
「この仕事がキリの良いところまで終わればお菓子休憩にしよう!」、
「今日1日がんばったら家に帰ってネットショッピングしよう!」
というようなかんじの『目標+ご褒美』が大事。
目標について「やり切った達成感」と、それによって得られる「報酬」
これらが、ドーパミンを大量に分泌するエサになるようです。
小さなことでも達成を繰り返してドーパミンのサイクルができていれば、常に意欲的で前向きにいられるでしょう。
また、乳製品に含まれる「カゼイン」と呼ばれるたんぱく質は、ドーパミンの原料となる「チロシン」を多く摂取できるので、体内でのドーパミン生成に役立ちます。
プロテイン飲料で摂取するのもオススメです。
『セロトニン』精神の安定や安心感を与える作用
『セロトニン』は、主に精神的な面、「心の安定」に関わる作用のある物質です。
●ストレスやイライラの軽減
●ポジティブ志向
●協調性を保つ
自然にヒトの体内に備わっている「精神安定剤」とも言えるでしょう。
セロトニンが不足すると、ストレスやイライラが解消されず、それに伴う不眠症やうつ病など、メンタル面で不調を引き起こす可能性もあります。
また、「他者と共にやっていこう」という協調性を保つ作用もあるので、不足すると他者に対して「攻撃的な行動や言動」をとってしまうということもあるようです。
『セロトニン』の出し方:重要なのは日光
セロトニンの分泌において重要なのは「日光」です。
他には他者から得られる安心感や、食事によっても分泌を促すことができるそうです↓
●日光を浴びる
●他者から得られる安らぎ
●大豆や乳製品を食べる
セロトニンは、主に太陽の光を浴びることで生成が活性化されます。
日照時間が短くなる冬には、セロトニンが不足して発症する「冬季うつ病」という症状もあるくらいなので、日光が重要となります。
日中に少しでも外に出るか、部屋のカーテンを開けて過ごすのがいいでしょう。
また、他者から得られる安らぎによっても、セロトニンは活発化します。
安らぎを感じた際に放出される幸せホルモン(オキシトシン)が、セロトニンの働きを高めるからです。
オキシトシンの分泌は、リラクゼーションサロンなどでの「マッサージ」により促すことができます。
そして、大豆や乳製品に多く含まれている必須アミノ酸の「トリプトファン」は、体内でのセロトニン生成に役立ちます。
必須アミノ酸の摂取は、サプリメントを用いるのもオススメです。
あとがき
今回は、「エンドルフィン」・「ドーパミン」・「セロトニン」という、3種類の脳内麻薬を紹介しました。
脳内麻薬はそれぞれに異なる作用を持ち、生活のパフォーマンスを上げたり、不調の改善にも役立ったりします。
また、「不足すると健全な生活に支障をきたすもの」でもあるので、分泌を促すことが重要でもあります。
あの範馬刃牙は耳を少しひねるだけで自由に脳内麻薬を分泌できていましたが、現実ではそうもいきません。。
これらの脳内麻薬は、前述した日常のちょっとした行いで増やすことができます。
なのでもし、生活の中で「やる気がでない」「無気力」「イライラ」などで悩んでいるという人は、脳内麻薬の力を借りてみてはいかがでしょうか。